葛飾区伝統産業館で毎月第3土曜日午後に体験教室を開催しています。
2018年5月のテーマは東京三味線 河野 公昭氏の「三味線作り・小じゃみチントン」でした。
受講定員30名ですが、申し込み人数は2名でした。午後1時からの開催で始まりました。
体験教室は「小じゃみチントン」の制作過程の講習と注意事項の説明から開始しました。
三味線は江戸時代に現在の形が完成され大衆楽器として親しまれていました。
体験教室では「小じゃみチントン」の開発についての説明があり、講師の河野氏が「江戸時代から変わらぬ伝統的な音を少しでも身近に……」の思いから、三味線の入門教材として製作開発されました。
現在は、三味線部材の猫や犬の皮はほとんどが輸入品です。また、皮以外の棹の材料の紅木をはじめ胴と棹の材料である花林、糸巻きに使用される象牙や黒檀、撥に使うべっ甲なども同様です。また、楽器として使うためには非常に高価な三味線と演奏技術が必要でした。
これらの問題を解消するために「三絃司きくおか」の伝統工芸士、河野公昭さんが猫や犬の皮の代わりとして「ユポ紙」の発見でした。
「ユポ紙」は非常に丈夫で濡れにも強く、綺麗な絵柄の印刷が可能です。三味線の糸は、マグロを釣るためのテグス糸を使っています。沢山の工夫からこの「小じゃみチントン」が作られました。音の響きもよく三味線の音が奏でられるようになりました。
体験教室では出来上がりの全長が約71cmとサイズも三味線のミニで重さも軽くなっています。
「小じゃみチントン」の開発についての説明の後、実際の制作ですが、ほとんどの部分は完成済みで、糸巻きを紙やすりで滑らかにしてから、三本の糸を張って、譜尺をテープで貼ります。このままでは音はでず、三本の糸を浮かせて「駒」を挿しこみます。次に調律して講師の河野先生と同じ音がでるように糸の張り方を調整します。
楽譜は「さくらさくら」、「蛍の光」などがあり、河野先生にあわせて演奏して体験教室は終了しました。
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